犯罪被害者心のケア
犯罪被害者支援の軌跡


316 犯罪被害者支援の
軌跡


定価 1, 260円 (税込)

著 者
 大久保 恵美子
 被害者自助グループ「小さな家」 主宰
 社団法人 被害者支援都民センター 事務局長

著者紹介

 犯罪被害給付制度発足10周年記念シンポジウム(平成3年)において、ご子息を犯罪によって亡くされた被害者の一人として発言した著者の切実な訴えが、遅れていた日本における犯罪・災害被害者支援の取り組みを、大きく前進させるきっかけとなりました。 その後は被害者の自己回復力をサポートする活動を続け、この社会的に高まった運動の、推進役として活躍されています。

A4判/100ページ/ソフトカバー
定価 1,260円 (税込)

ISBN 978-4-87981-119-6
数量  
 
  平成2年10月11日、歩道を歩いていた長男の亮が、後方から走ってきた飲酒運転の車に轢き逃げされ、2時間後の12日に亡くなりました。まだ18歳でした。

 
  この衝撃的な書き出しから始まる第1章は、著者、大久保恵美子さんが経験されたご自身の激烈な犯罪被害を始点として、その後展開される加害者やこころない周囲からの精神的な責めによる2次3次にわたる被害の実態と、絶対泣き寝入りはしないと心に誓うまでにいたる心の変化。
 そしてなによりも加害者の人権ばかり守られ、被害者の人権が守られる事のなかった日本の現状を、行政、司法、民間ボランティアの支援者と共に訴え続けた結果、被害者支援組織を今日の状況までに進展させた経緯が、体験に基づいたルポルタージュとして克明に描かれています。

 第2章以降では、犯罪被害者、喪失体験被害者(被災者)の精神的支援として最も助けとなる方法を、具体的に例をあげながら説明。さらに犯罪被害者支援の先進国アメリカでの貴重な研修体験を、豊富な資料と共に、自助グループの立上げ運営まで踏み込んだ解説が、今後の犯罪被害者支援活動の参考になります。(目次参照の事)

 日々報道される痛ましい事件や事故、災害はいつ私たち自身や大切な人の身に降りかかるか分かりません。誰もが被害者になる可能性を等しく持っています。そのような時に大久保さんが心血を注いで作り上げた被害者支援組織は、必ずや大きな支えとなるでしょう。  本書が被害者支援の入門書として、また実際被害に遭われた方の心と行動の指針となれば幸いに存じます。


   
 内      容
   
1 はじめの言葉
  第1章
6 1.信じたくない突然の出来事
6 2.止まったままの時間
7 3.尊い命を奪った飲酒運転
8 4.何もない被害者の人権
9 5.絶対泣き寝入りはしない
9 6.アメリカの市民団体「MADD」との出会い
12 7.MADDができた経緯
12 8.飲酒運転は犯罪である
13 9.MADD本部の活動目的
13 10.具体的な支援方法
15 11.MADDでの研修体験が第一歩
16 12.犯罪被害給付制度発足の10周年記念シンポジウムに出席して
17 13.被害者の家族は家の中から崩壊していく
18 14.被害者の心の傷
19 15.信頼できる精神科医との出会い
20 16.カウンセリングを重ねたことで・・・
21 17.MADDでの研修に大きな期待を抱いて
23 18.傷を抱えながら生きていく被害者
24 19.被害者支援活動の道のり
  第2章
28 喪失体験被害者(被災者)に接する人に
28 T.精神的支援を必要としている犯罪被害者にとり、もっともたすけとなること
29 U.面接をする時の手順
29 1.自己紹介をする
29 2.ゆっくりと話を聞き、決して話をせかさない
30 3.どのような理由でも、被害者の話を途中で遮らない
30 4.被害者の心情を認めて、共感し支持する
30 5.被害者が真に必要としていることを見極める
31 6.必要な情報を提供する
31 V.精神的なサポートを必要としている人に接する時に留意すること
32 1.悲哀について
32 2.恐怖について
33 3.罪悪感について
33 4.怒りや憤怒について
34 5.何か行動を起こす時は理性的な判断のもとに行うように努める
35 6.役に立つ受け答えの言葉
36 W.被害者にしてはいけないこと
36 1.「もしあなたが〇〇〇でさえあったら(でさえなかったら)」などと言って罪悪感を助長しない
37 2.被害の状況を他の人と比べない
37 3.強くなることを勧めてはいけない
37 4.「〇〇〇と思うべきではありません」などと言ってはならない
37 5.話をする時は被害者の苦悩から離れてはいけない
37 6.支援者自信が自分の感情を押し込めて話をしてはいけない
37 7.支援者自信の政治的信条や宗教観・道徳観・価値観を押しつけてはいけない
38 8.自分ができないことを約束してはいけない
38 9.被害者に言ってはいけない言葉
39 一覧表
40 X.事件後、さらに被害者が傷つくこと
41 Y.被害者の支援になること
42 Z.おわりに
  第3章
44 アメリカでの被害者支援研修を受けて
44 1.はじめに
45 2.研修旅行記録
61 MADDにおける研修内容
64 資料T<危機介入について>
64 1.危機とは
71 2.危機直後の援助
71 3.具体的方法
72 4.父親を殺害された5才の男の子に実践した例
72 5.役立つ対応
73 6.危機介入ABCモデルとは
75 7.集団に支援を行うとき
79 資料U<被害者の悲嘆>
79 1.被害者支援の基本
79 2.人を支援するために大切なこと
79 3.危機時被害者が必要とすること
80 4.自己統制について
81 5.長期的支援の必要性について
81 (1)何が起きたのかについて話す
81 (2)感情の受け入れについて
82 (3)他者との関わりについて
84 資料V<自助グループの進め方>
84 1.グループの目的は
84 2.自助グル−プ参加を通じて
85 3.今までの調査で自助グループについて分かっていること
85 4.自助グループをどう計画するか
88 5.進め方の実際
89 6.自助グループ活動中の困難例
90 7.研修を終えて
  資料編
92 被害者支援の経緯(年表)
93 けいさつのまど「警察による犯罪被害者支援」
94 警視庁のリーフレット「心の相談室」
96 警察の被害相談電話一覧表
98 民間の被害者援助団体の設立状況
   
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